山と旅と自転車と

自転車や山スキー、ハイキングなどを地図と共に記録

2018九州HeavenWeek1500km

AJ福岡主催、2018HeavenWeekに参加しました。
九州一周、1500kmの自転車旅です。

HeavenWeek概要

今回のHeavenWeekは、4つのブルベ、すなわち300km(飯塚ー諫早)、400km(諫早ー指宿)、600km(指宿ー佐多岬ー別府)、200km(別府ー飯塚)の集合で、合計1500kmのルート。これを6日間で駆け抜けました。

BRM428飯塚300平戸

まずは福岡県飯塚市を21:00出発の300kmから。

DATA

距離:299.7km(一部のトラックを間引いているので少なく出ている)
獲得標高:2413m
日時:2018年4月28日 20:56:39~ 2018年4月29日 13:01:50
所要時間:16時間5分11秒
平均速度:18km/h

概要

出発地点まで 4/28

新大阪から「おとなび」の「こだま6割引」で博多へ。車中はゆっくり睡眠。

博多で自転車を組み立て、飯塚へ。途中、伊川温泉で一風呂浴び、また軽く睡眠。

20:00頃、出発地点の新飯塚の駐車場へ。

BRM428 4/28-29

ブリーフィング、そして車検を終え、21:00少し前、スタート。
最初は先ほど通ってきた道。伊川温泉の看板をちらっと横目で見て坂道を登る。およそ300mほどだ。今回のルートの中では大きな登りであるが、勾配は緩く、軽く?峠を越える。
しばらく進むと福岡の市街地に入る。しばらくは信号峠でなかなか進まない。
やがて今宿のPC1。少し休憩ののち出発。そして玄界灘に面した美しい海岸に沿って進む。松並木が月光に映える。唐津を通過する。唐津城がライトアップされているが写真はない。
さらに海岸近くの道を、海を見たり林間を走ったり、風景は月夜で美しく浮かび上がる。

松浦そして平戸へと進んでいくと、あたりが白みはじめる。

平戸大橋を渡って、平戸島入口付近にPC2がある。ここで折り返し。
大橋を戻り、しばらく進むと重要文化財の田平教会が見える。

中に入るには一言断って入るようにとの掲示があったので、ここでは外観だけで先に進む。
しばらくリアス式の海岸を縫うように進むと、本土?最西端の神崎鼻に到達。

そして佐世保市に入るが、やはり信号峠。ここで佐世保バーガー、という語句が脳裏をかすめるが、時間的には早くて開いている店を見つけられず、そのまま進む。
大村湾に沿って進み、大村市街、そして小さな峠を越えると諫早である。
29日午後1時頃、目的地の諫早第一ホテルに到着。結構速いペースであった。

諫早観光

ホテルのチェックインまで少し時間があったので、眼鏡橋を見学に。

そしてコインランドリーで洗濯し、チェックイン。
夜食は、市内の居酒屋に繰り出す。これができるのは一般の長距離ブルベとは違うところだ。つまり、全体でHeavenWeekを構成するが、一つ一つのブルベの間に時間の余裕がある。これがなかなか楽しいし、その間に若干の疲労回復もできる。
翌日もさほど早くない・・・。
結果428飯塚300kリザルト.pdf

BRM430諫早400有明海東シナ海

二つ目のブルベは諫早から有明海を回り熊本、そして南下し、鹿児島の薩摩半島を西から回り指宿に至る400kmである。

DATA

距離:410.4km
獲得標高:2027m
日時:2018年4月30日 09:54:53~ 2018年5月1日 12:02:19
所要時間:26時間7分26秒
平均速度:15km/h

概要

BRM430、PC2まで 4/30


最初にホテル前で記念撮影。
朝10時出発。しばらくすると有明海を右に見る。

佐賀県に入りしばらく進むと田園地帯に入り、くど造の民家が見られる地域に入る。くど造とは、平面が「コ」の字形をした家で、佐賀から熊本や福岡の一部に見られる、現在では大変珍しい家の形式である。

残念ながら、茅葺は見つけられなかったが、金属板などで覆われたものはポツポツと残っている。
PC1では昼食を我慢し、柳川市内の魚料理の店へ。
そこで、舌平目やイソギンチャクなどを食す。

少し道を逸れたので、元に戻り、ひたすら南下する。

有明海島原湾に夕陽がきれいに映えた。
PC2は宇土市

BRM430、PC2からゴールまでオーバーナイト 4/30-5/1

PC2のコンビニでは、主催者が敷物を敷いて休憩場所を造ってくれていた。これからオーバーナイトの走行になるので、ひと眠りするものもいたようだ。

ここからはブルベ界のレジェンド・マヤ氏のトレインに加わる。特に意識をしていたわけではないが、たまたまそうなったのである。
比較的ゆっくり、しかし遅すぎず速すぎのペースで、どんどん進んでいく。日奈久を越えたところにある食堂で夜食。

そして、仮眠しましょう、ということでPC3の少し手前のファミレスで休憩。
マヤ氏はステーキ。そして各自思い思いのものを食す。深夜2時頃であった。
ややゆっくりしたが、寝るわけでもなく、次に進む。
鹿児島県に入ってPC3。
やがて夜明け。東シナ海が美しい。

薩摩半島に入り、道は少し内陸を進む。加世田は生垣の美しい集落である。

街路樹にも個性がある。
そしてPC4枕崎。
PCの隣にある鰹節工場から良い匂いが漂う。
ここから道は東に進む。相変わらずアップダウンが多い道で、少し足に来る。
あと少しというところで雨が降り出す。遠目にうっすら見えていた開聞岳は雲の中に消えてしまった。
雨中を走行し、ゴールの指宿到着は12時過ぎ。

指宿観光

ここではチェックイン前に温泉に行こうということで、砂蒸し温泉に向かう。

小雨が降っていたが、あまりの気持ちよさに、いびきをかいて寝てしまった。
今日の宿は、合宿所のようなところ。周りにも何もない。
宿の食堂で軽い宴会が行われた。
明日は早い。もう寝よう。と9時頃から就寝。
結果

BRM502指宿600佐多岬日南海岸

今回のHeavenWeekのメインディッシュ。しかも大雨の中の走行であった。
指宿から鹿児島。桜島にフェリーで渡り大隅半島を南下。佐多岬に到達し、九州の東海岸をひたすら北上し宮崎から大分、別府へと向かうルートである。

DATA

距離:608.4km
獲得標高:4462m
日時:2018年5月2日 06:02:41~ 2018年5月3日 20:47:42
所要時間:38時間45分1秒
平均速度:15km/h

概要

BRM502 5/2

朝から雨の中、6:00に出発。開聞岳は相変わらず見えず。
池田湖でイッシーの写真を撮ることが、最初の任務。

雨の中、鹿児島に進む。豪雨の様相だ。
PC1に立ち寄り、桜島フェリーに乗船。

桜島上陸後、火山灰の道を進む。火山灰は砥石のようなものだから要注意とのブリーフィングでの注意であった。でも雨で流れて大丈夫じゃないかとも思えた。じつはそんなに大丈夫ではないことはその後で知ることになる。
川には火山灰を含んだ泥水がすさまじく流れている。
途中立ち寄ったコンビニでもらったお手拭きでブレーキシューなどを拭くが、明らかに火山灰と思われるものが結構付着していた。しっかり拭き取ることはできないので、だましだまし行くしかない。

大隅半島に入ると、さらに豪雨。また南からの逆風も強烈だ。電光掲示板に「大雨警報発令中」の文字が。
ここでDNFも脳裏をよぎる。さまざまに逡巡したが、結論はもう少し進もう、だった。
泥水が道を流れる。ちょっと自転車が可哀想になってきた。
佐多岬近くになるとアップダウンが多くなるが、一方雨は少しは弱まった。
足が売り切れそうになった時、佐多岬到着。


午後3時をまわっていた。ここで本土最南端の証明書をもらった。
このあたりは比較的穏やかで、ここだけだと、少し天気の悪い日、という感じであった。
佐多岬を出発。しばらくは来た道を引き返す。またまた豪雨。
追い風は思ったほどではなかったが、時折背中を押してくれるのは嬉しい。
ルートは来た道に別れを告げ、台地に上りはじめる頃から雨も少しはマシになってきた。鹿屋、志布志と進む。
PC3は日南市。見上げると月が見えていた。

ほっとした反面、睡魔が襲うようになってきた。コーヒーを飲んで少し押さえるが、あまりペースが上がらない。
這々の体で宮崎の宿に到着したのは午前2時をまわっていた。シャワーを浴び、しばらく就寝・・・とはいわない。仮眠。

BRM502 5/3

準備していたウェアを替え、さっぱりして出発は4時過ぎ。カフェインタブレットを飲んだので、さほど眠気は感じなかった。
国道10号は、交通量も多く、海岸から少し内陸を走るので、面白くない道だ。
しかし、延岡を過ぎると、景色が一変する。リアス式海岸である。アップダウンはきついが変化があって面白い。


日向灘が美しい。
アップダウンを繰り返し、大分県への県境付近からは、かなりの狭隘路。AJ岡山ブルベの瀬戸内のどこかの島の海岸線のようだと思った。そこを越えるとPC4。蒲江。入り江に面した静かな町だ。

ここから峠越えで、佐伯市内。

さらに津久見臼杵と廻り、佐賀関に。
関サバ、関アジが有名だ。ただPCのコンビニには当然ながらそのようなものはない。また立ち寄る時間ももうなさそうだ。
やむなく、大分、そして別府へ。
逆風と信号峠に苦労しながら、ひたすら進む。
ゴールは別府亀の井ホテル。9時前に到着。ここが今日の宿。
自転車のメンテナンスを少し行い、夕食、洗濯、そして就寝。
結果

BRM504別府200和布刈

今回のシリーズの最終回は別府から北九州を経由して出発地の飯塚までの200km。

DATA

距離:207km
獲得標高:920m
日時:2018年5月4日 05:55:00~ 2018年5月4日 19:29:34(到着後の時間のログも残っている)
所要時間:13時間10分(公式記録)
平均速度:15km/h

概要

BRM504 5/4

最終日は気持ちの良い朝を迎えた。ややひんやりした空気の中、進路を北にとる。
杵築郊外には赤松橋。石橋が架かっていた。

時間がないので今日は宇佐八幡は断念。中津を越えると福岡県。行橋から北九州に向かう。
昼食は友人たちと定食屋に入る予定だったが、GPSのバッテリー替えの間離れてしまって一人旅。なかなか見つからずラーメン店に入ったということだ
門司では和布刈山の登山が待っていた。辛うじて足を付けずに登り切る。
山の上からは、昨年通った下関の町と間の関門橋が素晴らしい。


山を下って、門司の町を見学。

旧門司税関(明治43年

国際友好記念図書館(大連にあった東清鉄道汽船会社事務所(明治35年)のレプリカ)

大阪商船門司支店(大正6年
残念ながらお目当ての門司港駅は工事中であった。
少しゆっくりしすぎたようだ。時間があまりない、また海岸沿いを強烈な逆風が吹き、なかなか進まない。
小倉、戸畑と進み、ここで渡船。AJ福岡の面白い演出だ。

若戸大橋の下の渡船に乗る。

1本乗り遅れ、かなりヒヤヒヤの時間。
若松でも、近代建築廻り。

古河鉱業若松支店(大正7?年)
そして石炭会館(明治38年)。

この石炭会館は三日月屋若松店といって、クロワッサンのお店。一つ購入。次のPCで食す。美味なり。
ただでさえ時間がないのに、こんなゆっくりしていていいんだろうか。時間はギリギリ。さらに追い打ちをかけるように向かい風。で、PC2には15分前到着。何とか間に合いました。もっとも、さらなる強者がいて、石炭会館でソフトクリームを食べていた人たちも・・・。彼らもなんとかギリギリで間に合ったようです。
ここから郊外の道を進み、やがて遠賀川

かつてはここを石炭を満載した船が下っていったそうだ。
ほぼ直線に改修された遠賀川の堰堤に付けられた道をひたすら溯ると、やがてゴール地点飯塚。
時間は19:10。何とか完走できました。

300km、400km、600km、200kmのメダル。
結果

おまけ 5/5

翌日、嘉穂劇場昭和6年)を訪れる。


38年前の同日、5月5日のチケット。