山と旅と自転車と

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奥美濃大日ケ岳

【日付】07/01/14

【地域】奥美濃岐阜県

【ルート】高鷲スノーパークスキー場―大日ケ岳(叺谷)―高鷲スノーパークスキー場

【天気】晴

【メンバー】桐浴・里見・西村・笠見・吉田・村上

【コースタイム】高鷲スノーパークスキー場ゲレンデ07:55=ゲレンデtop08:05~08:25―ゲレンデすぐ上にて、ビーコントレーニング08:30~08:55―1660m付近にて、コンプレッションテスト10:05~10:30―大日ケ岳頂上10:45~11:15コンプレッションテスト11:15~11;50―北東尾根1650m付近12:00―前大日12:40―ゲレンデtop13:25―ゲレンデ下13:45

【登高高度・滑降高度】登:約260m、滑:約800m(スキー場を含む)

【概念図】

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【概要】今回は京都雪稜クラブの山スキー講習会である。前日、道の駅大日岳に到着し、テントで軽く宴会。朝、高鷲スノーパークスキー場に車を回す。
 ルート自体は、平易なもので、さほど説明する必要もないと思うが、今回は講習会という事で、いくつかの講習を含んでいたのでそれについて解説しよう。

■ビーコンのトレーニン
今回は2人1組になって、雪の中に埋めたビーコンを探すトレーニングをした。
私自身、2~3年前は、山行において何度もトレーニングを行っており、比較的扱い慣れていると思っていたが、今回は若干時間がかかった。
昨シーズンの山行では、一度もトレーニングしていなかったので、やはり繰り返しの練習が重要であることを思い知った。

■コンプレッションテスト
最初、私がスノーソーを使いながら雪柱をつくってテストしたが、各自で行う場合、スコップだけでは少し困難であった。スキーを使うなどすると、もう少しうまくいったか?
また手首で叩く場合、見ていると多くの人は肘から動いてしまっているので、あまりうまくいかなかったようだ。腰をかがめるなどして、もう少し慎重に行うべきであると感じた。

■コンプレッションテストの結果
今回のテストは練習として行ったが、もちろん実践としての意味も持った。
・雪柱を切り出している最中に、崩壊したら、すぐにその場から立ち去り、安全な場所に避難せよ。
・手首で叩いて崩壊したら、危険と判断せよ。
・肘から叩いて崩壊したら、注意せよ。
・肩から叩いて崩壊した場合は、比較的安全。
今回は、肘から叩いた場合の崩壊であったので、無立木の急斜面には入らないようにした。斜度はスロープメーターで計測し、30度未満のところを選んだ。
(もちろん、初心者がいる講習会なので、もともと急斜面に入る予定はなかったが)
ただし厳密には、より多くの場所でテストを行わなければ意味がないことも、付け加えておく。

■パーティを2つに分けたこと
北東尾根を滑降しているとき、一人が足を痛めた(前日の怪我の具合が良くなかったことによる)ため、私とともに、稜線伝いにスキー場に戻ることに。
他のものは、山スキー経験者も多いため、SLをリーダーとして、叺谷を滑降し、前大日に登るルートをとった。
・このときの判断
山スキーでは、状況によって途中でパーティを分けることがしばしばある。
ここでの判断として、天気がよいこと、ルートと雪質に問題が少ないこと。分けた双方のパーティのメンバーにある程度の技術・経験を持っているものがいること。GPSあるいは携帯(つながることを確認した上で)などの装備の点で問題がないこと。などを勘案し、判断した。
■谷(沢)を含むルートについて
かつての山スキーは、稜線の往復で、比較的消極的なスキー利用が多かった。
厳冬期に谷(沢)に入ることは、雪山のセオリーからは反したこと、と考えられてきたからだ。
しかし近年、山スキーでは谷(沢)に積極的に入っていくことが多くなってきた。
その理由として、まず稜線のマイナス点として以下のことがらが挙げられる。
稜線ではアップダウンがあり、幅が狭かったり、雪庇の問題があり、スキーが使いづらい場合がある。また大日ケ岳のような安易でメジャーなルートでは、斜面が荒れて非常に滑りにくい。などである。
そこで谷(沢)をルートに取り込むことによって、滑降は滑降、登高は登高、といったメリハリのついたルートが可能となり、場所にもよるが、広い斜面を自由に滑ることもできるようになる。また無雪期には入れないようなところに自由にトレースを引くことができ、地図を見てまたは実際の地形を見て、いろいろとルート開拓もできる魅力もある。
そのような理由から、谷(沢)をルートに組み込むことが多くなってきた。
ただし雪山のセオリーは今も昔も一緒で、谷(沢)の方がはるかに雪崩のリスクが高いことを知らねばならない。近年はパウダーねらいで、安易に谷(沢)に入っていく傾向があり、またそのような斜面にトレースが見られる。
山スキーをするものは、自分で雪を判断して、ルートを考える能力を身につける必要がある。

【写真】

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大日ケ岳への登り

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天狗山が美しい

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大日ケ岳頂上

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北東尾根から叺谷へ